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アナログ


  アナログを意識せよ

  「デジタル」という言葉は巷にあふれかえっています。
言葉の意味は自分でとことん調べてください。インターネットでわんさかヒットしますから。
ここではパソコンで扱っているデータがデジタルデータであるということから始めたいだけなのです。
  デジタルデータというのは数値で表現されるデータです。
コンピュータはこの数値を2進法で扱っています。つまり、「0」と「1」の2種類の数値が使われています。
2進法も正確に知りたい方はどうぞ自分で調べてください。
  あるアメリカのテレビ番組で、0と1の数字が羅列してあるファイルが出てきたのを覚えています。
幾何学模様かなにかと思ったら、何やらのメッセージが秘められているファイルという想定でした。モールス信号を解読するように、数値を読み解いていくとある情報が得られる、ということでした。
  コンピュータのデータの世界には「0」と「1」以外の数値はありません。
そのすっきりくっきりした世界は、データの劣化を抑えたり、あるデータを完璧に複製したりと、ものすごく魅力的な結果を提供してくれます。
それでこそパソコン使いをやめられないのです。
  と、ここで時計を2つ思い浮かべてください。
1つは昔からある、長針と短針がチクタクと時を刻む時計。もう1つは何時何分何秒と数値で時刻を表示してある時計。
どちらも時間を教えてはくれるけど、針で刻むタイプはどうにもあいまいです。
それに比べて数値の時計はなんとすっきりと時刻がわかるのでしょう。
  このあいまいさとすっきりさが、私の中でのアナログデータとデジタルデータの違いなのです。
デジタルデータは大歓迎です。
しかし、アナログデータは大好きなのです。
  アナログのあいまいさを知ることが、すっきりくっきりのデジタルの素晴らしさを知ることだし、そのすっきりくっきりさを知ることが、あのあいまいさの素晴らしを再認識させてくれるものなのです。
  さきほどの時計で言えば、今何時何分何秒としっかりわかっていなくてもいい場面はいっぱいあります。
針の時計を見て、今8時42分の少し後から8時43分の刻みを超えようとしているところ・・・, ってなあいまいさでも充分今の時刻はわかるし、そのあいまいさのもつ(すっきりしない)余韻がたまらなくあいまいな自分と同じでほっとするのです。
  そこで「アナログを意識せよ」となるのです。
巷にあふれるデジタルなものを意識せずに受け入れていると、アナログなものとの違いを意識することなく人間性までもがデジタル化してしまうような気分になるのです。
  「0」か「1」か、「白」か「黒」か、「好き」か「嫌い」か、そういったすっきりくっきりした結果や感覚だけに支配されてしまうように思うのです。
  大家の絵画をどんなに精巧にまねしてみても、本物ではないというあいまいさがあってこそ、本物が本物であるのです。
  たとえ、まねされたものの方がより優れていたとしてもね。

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